IT業界で働くエンジニアのほとんどは、大学や専門学校あるいは高校時代からITについて学ぶ環境で育って社会人になっています。そして、ITについて詳しい人にだけ囲まれて仕事に勤しんでいるため、業界内での常識が染み付いているのが一般的です。同じ業界でずっと働いているとその業界の常識がさも当然のようになってしまいやすく、一般の人も理解していることだという思い込みが生まれてしまいます。
システム開発ではITについて詳しくない一般の人が利用することを想定しなければならないことも多く、その常識や思い込みが問題になることも少なくありません。未経験からスタートするエンジニアは、それ以前はIT業界とは直接の関連性がない業界で働いてきているため、IT業界の常識に染まっておらず、業界入りするとあまりに思い込みが多いことに気付きます。それに慣れなければならないと必死になる人もいますが、逆にあまりにIT業界内での常識が多いことに気付いて指摘をするべきかと悩む人も少なくありません。
ITに関する技術面では、未経験からスタートすると他のエンジニアには太刀打ちできない面がありますが、常識に関しては反旗を翻す能力を持っています。それに気付いて指摘を繰り返すのがエンジニアになった面白さと感じる人も多く、それが結果として業務の改善につながる場合もあるのが実情です。違うバックグラウンドを持っているという強みを生かす方法として重要でしょう。